土地のオーナー様の中には今後土地活用をお考えの方も多いのではないのでしょうか。
しかし、今後の土地活用のニーズは変化していくことが考えられるので、長期的な視点で土地活用法を考えていく必要があります。
今後の景気の動向などを見据えて、長期的に利益を上げることができる土地活用法を選ばなければなりません。
ここでは、今後の景気の動向の予想と、さまざまな土地活用法の今後について解説していきます。
土地活用の今後はどうなるのか
では、土地活用の今後はどうなるのでしょうか。オリンピックや少子化が土地活用に及ぼす影響について解説していきます。
オリンピック直後は景気が悪くなる
2020年の東京オリンピックの後は、確実に景気が悪くなります。
2020年の秋以降には、東京オリンピック特需が終了し、不動産バブルもはじけることが予想されます。
まさに、東京オリンピック後の「燃え尽き症候群」といった状態になるでしょう。
これは「2020年問題」と言われ、東京オリンピックが閉幕する2020年を境に発生するマンションなどの不動産の価格や雇用に関するリスクです。
これ以外にも教育に関するリスクも含まれています。
特に不動産業界では、不動産の価格が2020年を待つことなく下落していくのではないかと言われ始めており、懸念が広がっています。
さらに、五年後の2025年におこる「2025年問題」というものも景気悪化の問題の1つです。
この「2025年問題」とは、日本が直面する本格的な超高齢化社会問題のことで、戦後のベビーブームに生まれた世代が75歳の後期高齢者に達する年です。
この問題により、社会保障制度の維持が危ぶまれる始め大増税が始まるということが、この2025年問題です。
2020年東京オリンピック以降の日本経済は、日本国内で急激なデフレが進み円安が進むでしょう。
2020年以降、社会保障制度を維持するために大増税が始まれば、日本人が使えるお金は減ってしまいます。
そうなると、日本人は必要な物しか購入しなくなり、今まで購入していた高価なものを購入できなくなるでしょう。
このことにより、物の値段が下がってしまいます。
また、少子高齢化の影響で日本円は1ドル150円以上といった円安の時代に突入すると考えられているのです。
こうなると、輸入品の価格が上がり、日本国内では購入しづらくなってしまいます。このような要因から、オリンピックの後は景気が悪くなると考えられています。
地方の土地の価格は下がっていくことが予想される
現在の日本では、少子化の影響により人口が減少しています。また、その中で人口は東京などの大都市に一極集中しています。
そのため、地方には若者が残らず、高齢者が残る傾向が強くなり、やがて高齢者が亡くなってしまえば、地方の人口の減少は進むでしょう。
そうなると、地方には更地や空き家が増え、土地へのニーズは低くなり、地価の下落につながっていきます。
都市部と田舎では土地活用の将来性は全く違う
将来的に人口が増加すると考えられている都市部では、アパート・マンション経営、戸建賃貸経営、賃貸併用住宅、貸店舗経営などが向いているでしょう。
このような土地活用法は人の多い場所でこそ成り立つものなので、将来的に都市部で土地活用を行う場合に向いていると方法です。
一方、田舎での土地活用法ですが、こちらは将来人口が減っていくと予想されます。
そこで、人口の多さに左右されない方法で土地活用を行うことが必要です。
田舎の土地活用に向いていると思われる土地活用の種類は、太陽光発電や市民農園、貸農園です。
このような土地活用法は、人口が少ない田舎でも将来的に利益を上げやすい方法です。
人口減少による少子化
毎日新聞より引用
現在の日本では、人口減少が始まっています。これによりさらに少子化が進み、2025年には超高齢化社会が始まります。
少子化は以前から問題視されていましたが、「少子化=人口減少」であることはなかなか浸透しませんでした。
このままの状況で少子化・人口減少が進めば、2030年にはすべての都道府県で人口が減少することになります。
具体的には、今後30年で2000万人以上の人口減となります。特に地方では都市部より地方であるといわれ、中には3割の人口が減少することも考えられます。
人口が減少すると土地の価格も安くなるので、土地活用する方は注意が必要です。
土地活用の種類によって未来を考える
では、土地活用の今後はどうなるのでしょうか?土地活用の種類によって未来を考えてみましょう。
賃貸経営は今後どうなの?
今後人口が減少するにつれて、賃貸経営をしても入居者が集まりにくくなるのではないかと考える人も多いでしょう。
現に、現在25%程度である空室率が40%程度になると予想する人がいます。
しかし、一方で「世帯数」はあまり減少しないという考えもあります。
その理由は、「世帯を構成する人数が減少するのであり、世帯数の急激な現象にはつながらない」ということです。
また、将来的に取り壊される賃貸物件の数が多くなれば、相対的に空室率は下がりでしょう。
不動産ブームであったバブル期に建てられた賃貸物件は、現在築年数が25年から30年が経過しており、老朽化が進んでいます。
10年後には築40年を超える物件も増えてくるのではと予想されます。
賃貸物件の場合には、マイホームと異なり低コストを意識して建築されるため、その結果40年から50年ほどで取り壊すのが一般的です。
つまり、今後10年から20年の間には、取り壊される物件が多くなるということです。このような理由により、今後新築の賃貸物件のニーズは高まると予想されます。
バブル期の賃貸物件の存在は、賃貸経営をお考えの方には空室リスクが軽減されるというプラスの効果が期待できます。
駐車場経営の今後は?
駐車場を土地巻く環境は、今後大きく変化していきます。少子化による人口減少の影響により、自動車の保有台数も変化していくことが考えられます。
このことから、駐車場は量より質を求められる時代へと変化していくでしょう。
今後、あらゆるものがネットワークでつながるIoT(Internet of Things・すべてのものがインターネットにつながること)時代の到来が考えられます。
それにより駐車場内における自動運転や自動駐車、駐車場の予覚や管理といったことがインターネットでできるようになる時代ももうすぐそこです。
また、自動車の保有台数は減少し、代わりにカーシェアリングの需要が高まると考えられます。
カーシェアリングは車室固定で行われるケースが多ほとんどです。
例えば、時間帯で利用制限を行うエリアを設定し、昼間は一般の駐車場利用、夜間はカーシェアリングに利用するとします。
このように、目的ごとに駐車場の運用を決めておくことで稼働率を上げることが可能です。
今後の駐車場経営は、ただ車を停める場所として経営するのではなく、プラスαの機能を盛り込む必要が出てきます。
ソーラーパネルによる土地活用の今後
ソーラーパネルにより発電した電気を電力会社に買い取ってもらうことがソーラーパネルによる土地活用の方法です。
ソーラーパネルによる土地活用は、「一定の期間」「一定の価格」で発電した電力を売ることができるという点が特徴です。
電気を売る単価は、ソーラーパネルによる土地活用を始めた時点で決まります。
発電した電気を売る単位は「kW」です。
ですので、電力会社との契約は1kW当たりいくらで買取されるという内容のものを結ぶことになります。
買取価格は年度ごとに改定されます。しかし、スタートした時点の買取単価は10年または20年保証されます。
この保証期間の違いは、ソーラーパネルの設置容量が10kW未満(家庭用)の場合が10年、10kW以上(事業用)が20年です。
ですので、ソーラーパネルは10kw以上の容量のものを設置するようにしましょう。
買取価格は年々下がる傾向にあります。
そのため、今から始めてもメリットが少ないのでは?と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
じかし買取価格が下がる一方で、ソーラーパネルの設置に必要な費用も年々安くなってきています。
ですので、今後ソーラーパネルによる土地活用を始めても、十分な利回りが期待できます。
トランクルームの土地活用の今後
トランクルームは、更地にコンテナを設置したり、新たに建てたものや既存の建物内を区切ったりしてお客様に貸し出ます。
そのスペースをトランクルームとして利用してもらう土地活用法です。
まだまだ日本では普及していないトランクルームですが、今後2020年には700億円を超える市場に成長するといわれています。
今後、日本の住宅は一人当たりに対する広さがさらに狭くなると言われており、トランクルームの利用者が増えると予想されています。
立地などの条件によりますが、トランクルームによる土地活用の今後は、明るいといえるでしょう。
老人ホーム・福祉施設の今後
少子高齢化が進む権代では、老人ホームや福祉施設としての土地活用はますます需要が高まるでしょう。
しかし、老人ホームや福祉施設として土地活用を行う際には2つの条件があります。
土地活用しようとしている土地が、老人ホームや介護施設の建築が法的に可能かどうかを調べることが必要です。
床面積や日照の関係から、老人ホームや介護施設の建築が法律上不可能な場合もあるため、その土地を管轄する役所の建築課に問い合わせておきましょう。
また、老人ホームや福祉施設は行政から補助金が出ます。
ですので、これらの施設が多く作られすぎると行政が財政面で圧迫されてしまう結果となってしまいます。
老人ホームや福祉施設は総量規制対象施設とされ、行政により建設を制限されることもあるでしょう。
しかし、稀に行政が総量規制対象施設の許可を出すタイミングがあるため、その時期を逃さず老人ホームや福祉施設の建築申請を行うことが重要です。
土地活用の今後が気になる方へのアドバイス
これから土地活用を始めたいけれど、先々が不安と思われる方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、土地活用を行う際に必要な考え方を解説していきます。
土地活用は30年先を見据えて行う
土地活用は30年先を見据えて行う必要があります。なぜ30年かというと、事業というものは、大体20年から30年で古くなってしまうという理由があります。
例えば、アパート・マンション経営の場合、その建物の寿命は30年であるといわれています。
30年後にも新たに入居者を募るためには、大規模修繕やリフォームが必要になるケースが多いからです。
土地活用も立派な事業です。30年後にもしっかりと利益を生みだせるよう、土地活用のスタート時から考えておきましょう。
リスクを取らない土地活用がおすすめ
土地活用は、いかに低リスクで高い利益を得ることができるかという点がポイントになります。
低リスクの土地活用を行うためには、初期投資を抑えることまたは大きな借金を負わないことが大切です。
例えば、前述したようにトランクルーム市場は今後大きく伸びてくることが予想されています。
トランクルーム経営は比較的初期費用を低く抑えることができ、今後の収益性に大きな期待が持てる土地活用法であるといえます。
このように、低い初期費用で始めることができ、今後需要の高まりが見込まれる土地活用法を選ぶことが大切です。
それに加えて、高額ではなくても安定した収入を得ることができる土地活用法を選ぶようにしましょう。
高利回りで短期間で元手を回収する
もし、初期投資に多額の資金をかける場合には、高利回りの土地活用法を行うことが大切です。
高利回りの土地活用法を行う理由には、早期に初期費用を回収し、利益を出す必要があるという点があげられます。
高利回りの土地活用法と言えば、まずビル経営が思いつきます。
所有している土地が、ビル経営に向いている場合には、このような高利回りの土地活用法を行うこともおすすめです。
リターンを多くして、早い時期に初期投資分の資金を回収できる方法で土地活用を行いましょう。
プロに相談して慎重な判断を
土地活用は、今後も伸びていく方法もあれば、衰退していく方法もあります。
また、自分が持っている土地にどのような土地活用法が向いているか自分自身で判断するのは非常に危険です。
土地活用を行いたいと思ったら、まずは一度プロに相談してみましょう。プロは土地活用に関するさまざまな経験とノウハウをもとに、適切なアドバイスをしてくれます。
土地活用は自己判断で行わずに、プロの手も借りることをお勧めします。
まとめ
ここまで、土地活用の今後について解説してきました。
土地活用の方法によっては、少子高齢化と人口減少による影響を受けやすい方法もあることがお判りいただけたと思います。
また、いくつかの土地活用法について解説してきましたが、その経営方法によって今後伸びてくる土地活用法があることあることについても解説してきました。
これから土地活用を始めようと考えていらっしゃる方は、土地活用が今後どのような状況に置かれるか、30年先まで考えておくようにしましょう。
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