太陽光発電

太陽光発電の農地転用の問題点:かかる費用や実例をご紹介

畑や田んぼなどの農地を所有している方で「太陽光発電をしたい」という方がいらっしゃいます。太陽光発電であれば、毎月一定額の売電収入が期待できます。

農業をしなくても放置で収入が発生するのであれば、太陽光発電投資をしたいですよね。

ただ、農地で太陽光発電をするためには、地目(じめ:土地の利用目的)を変えなければいけません。農地をそのまま利用して太陽光発電することはできないからです。必ず農地を転用して太陽光発電を行う必要があります。

このページでは、太陽光発電を農地でするために必要な情報をご紹介します。これから農地を利用して太陽光発電を検討している方は、参考にして農地転用を成功させましょう。

農地で太陽光発電をするための農地転用とは

以上でも説明しましたが、農地で太陽光発電投資をするためには、農地転用を行います。土地には「地目」というものがあるからです。

地目とは、土地にはその土地の使用目的が決まっています。地目が農地だと農地以外に利用することができません。そのため、農地で太陽光発電をしたい場合は、農地転用をして他の地目に変更することができます。

農地で太陽光発電をするためには、農地転用によって地目を変更するようにしてください。

農地転用は難しい

農地を転用すれば、畑や田んぼで太陽光発電が行えます。しかし、実際のところ農地転用は難しいです。そもそもこのように地目があるのは、農地を守るためです。

地目が無ければ、農地はすぐになくなってしまいます。太陽光発電もそうですが、アパートを建てたり駐車場にしたりする方は増えてしまうのではないでしょうか。

かつて、高度経済成長期の1968年に農地転用の規制緩和によって、多くの畑や田んぼが減ってしまったという事件があります。これにより、2009年以降は農地転用が難しくなりました。

日本は限られた敷地の中で農業をしなければいけません。食糧需給率も低いので、国が農地を守ろうとしています。このようなことから農地転用は難しいのが現状です。

ただ、農地にも種類があります。

  1. 第一種農地:許可がほとんど下りない
  2. 第二種農地:許可が下りにくい
  3. 第三種農地:許可が農地の中では下りやすい

第一種農地は許可が下りるのは難しいですが、第二種・第三種の農地は許可が下りている実例があります。あなたの農地の種類に応じて農地転用できるか確かめましょう。

農地・田んぼの太陽光発電の種類

農地で太陽光発電する際、2つの種類があります。それは、そのまま農地転用して太陽光発電をする方法をソーラーシェアリングによって太陽光発電する方法です。

具体的にどのような違いがあるのかをそれぞれ解説していきます。

農地転用して太陽光発電をする

農地を農地転用します。そして、地目を変更してから太陽光発電するのが一般的な方法です。スタンダードな方法として覚えておきましょう。

ソーラーシェアリング

ソーラーシェアリング

出典:タイナビ発電所

ソーラーシェアリングは、農地で行う農地と太陽光発電を両立させる方法です。そのため、農地をそのまま利用しつつ、空いたスペースで太陽光発電投資ができるシステムです。

農地をそのまま利用できるので、農業がそのままできるメリットがあります。農業をしながらソーラーパネルで発電できるので、農業での収入も確保しつつ売電収入が期待できます。

一石二鳥の太陽光発電がソーラーシェアリングです。

地目を変更できなくても太陽光発電ができる

ソーラーシェアリングの場合、地目を変更する必要がありません。農業をするので、地目は農地のままです。そのため、農地を転用できない方は、ソーラーシェアリングによって太陽光発電をするのも1つの方法です。

農地転用が可能な条件とは

農地転用には条件があります。法律関係の話になるので難しいですが、どのような許可規準なのかご紹介します。

区分 営農条件・市街地化の状況 許可の方針
農用地区域内農地 市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた区域内の農地 原則不許可(農振法第10条第3項の農用地利用計画において指定された用途の場合等に許可)
甲種農地 第1種農地の条件を満たす農地であって、市街化調整区域内の土地改良事業等の対象となった農地(8年以内)等特に良好な営農条件を備えている農地 原則不許可(土地収用法第26条の告示に係る事業の場合等に許可)
第1種農地 10ha以上の規模の一団の農地、土地改良事業等の対象となった農地等良好な営農条件を備えている農地 原則不許可(土地収用法対象事業の用に供する場合等に許可)
第2種農地 鉄道の駅が500m以内にある等市街地化が見込まれる農地又は生産性の低い小集団の農地 周辺の他の土地に立地することができない場合等は許可
第3種農地 鉄道の駅が300m以内にある等の市街地の区域又は市街地化の傾向が著しい区域にある農地 原則許可

先ほどもお伝えしましたが、農地を転用できるのは基本的には「第2種農地」と「第3種農地」の2つだけです。第1種農地は農地転用できないので注意しましょう。

農地転用の手続きの流れ

農地転用の手続きの流れをご紹介します。農地転用の手続きの方法は以下の通りです。

太陽光発電農地転用

出典:あんしん太陽光発電:エコの輪

この図を参考にしてどのような流れになるのかを覚えておきましょう。

ただ、農地転用の手続きは手間なので、素人では難しいです。そのため、土地活用の専門業者に手伝ってもらうのがおすすめです。土地活用のプロなので、農地転用を任せることができます。

専門家にアドバイスをしてもらったほうがいいですよね。まずは、無料相談や資料請求を行い農地転用の話を進めていきましょう。

太陽光発電で農地転用に必要な書類

農地転用には、手続きが必要です。市町村の「農業委員会」に書類を提出して手続きします。そして、許可が下りれば農地転用が可能です。

  • 法人にあっては、定款(寄付行為)及び
    法人の登記事項証明書
  • 申請に係る土地の登記事項証明書
  • 申請に係る土地の地番を表示する図面
  • 転用候補地の位置及び附近の状況を示す図面
    (縮尺50,000分1~10,000分の1程度)
  • 転用候補地に建設しようとする建物または施設の面積、位置および施設間の距離を表示する図面(縮尺500分1~2,000分の1程度)
  • 転用事業を実施するために必要な資力及び信用があることを証する書面
  • 所有権以外の権原に基づく申請の場合には所有者の同意書
  • 耕作者がいるときは、耕作者の同意書
  • 転用に関連して他法令の許認可等を了している場合にはその旨を証する書面
  • 申請に係る農地が土地改良区の地区内にある場合には当該土地改良区の意見書
  • 転用事業に関連して取水または排水につき水利権者、漁業権者、その他関係権利者の同意を得ている場合にはその旨を証する書面
  • その他参考となるべき書類

農地転用の手続きには、これらの書類が必要になります。とはいえ、初心者ではよくわかりませんよね。そのため、農地転用する際は土地活用の専門家に相談しましょう。

アドバイスや農地転用を手伝ってくれますので、専門家に依頼するのが早くて簡単です。わからないことを悩んでいても仕方がないですよね。専門家に農地転用を手伝ってもらいましょう。

太陽光発電の農地転用の費用はいくら

農地転用するためには、書類や手数料などの費用がかかります。そのため、数十万円の費用がかかります。

農地転用の費用は以下の表を参考にしましょう。

1. 法人の登記事項証明書
(申請者が法人の場合のみ)
・交付手数料…一通600円

・オンライン申請手数料…一通500円(郵送の場合)

一通480円(窓口受け取りの場合)

2. 土地の登記事項証明書
  • ・交付手数料…一通600円
  •  ・オンライン申請手数料…500円(郵送の場合)
  •              480円(窓口受け取りの場合)
3. 土地の位置を示す地図 ・「都市計画図」「農業新興地域区域図」申請手数料…数百円程度

・「地図(公図)」請求手数料…450円

4. 申請に係る土地に設置しようとする施設の位置を明らかにした図面 ・専門家への依頼料…数千円程度
5. 残高証明書や融資証明書  ・「残高証明書」の発行手数料…700~900円

・「融資証明書」の発行手数料…数千円~1万円

6. 地区除外申請書および土地改良区の意見書 ・「土地改良区の意見書」交付手数料…一件数千円

・土地改良区域除外決済金…100~500円/1㎡

・専門家への依頼料…数千円~1万円程度

7.その他参考となるべき書類 1万〜20万円程度

農地・遊休地活用より引用

また、これ以外にも工事が必要になる恐れがあります。地盤改良や整地費用です。地盤が軟弱の場合、太陽光発電パネルを設置できません。そのため、地盤を頑丈にする必要があります。

また、地盤が平らではないと太陽光パネルを設置できないので、平らにするための整地費用が必要です。

農地の規模や状況によって異なりますが、100万円以上の費用は必要になるので覚えておいてください。

太陽光発電の農地転用の事例

太陽光発電の農地転用の事例をご紹介します。これから太陽光発電を検討している方は、事例が気になりますよね。

事例1.畑に太陽光発電を導入

太陽光発電農地転用 太陽光発電農地転用
設置場所 長野県小諸市
設置日
パネル発電量 88.2kW
パネル出力&枚数 245w:-枚
設置面積 -坪
地目

農地転用型太陽光.comより引用

事例2:太陽光発電を導入した事例

太陽光発電農地転用 太陽光発電農地転用
設置場所 長野県
設置日
パネル発電量 86.4kW
パネル出力&枚数 -w:-枚
設置面積 -坪
地目 農地

農地転用型太陽光.comより引用

利用していない畑や農地を農地転用して太陽光発電している事例です。相続で農地を譲り受けたもののそのまま活用していない方は多く見られます。

何も利用していない土地を持っているのであれば、太陽光発電で売電収入を手に入れたほうがいいですよね。

農地を転用して太陽光発電をするメリット

農地を利用して太陽光発電を行うとどのようなメリットがあるのでしょうか。太陽光発電をすれば売電収入が入るだけではなく、いろいろメリットがあります。

農地転用で太陽光発電を検討している方は、どのようなメリットがあるのかを確かめておきましょう。

  • エコなエネルギー発電
  • メンテナンスがかからない
  • 安定した収入が手に入る
  • 土地の値段が安くても発電量は変わらない

太陽光発電には、このようなメリットがあります。農地転用を考えいる方は、参考にしてみてください。

エコなエネルギー発電

太陽光発電は、太陽光をエネルギーとして発電するのでエコなエネルギーです。

太陽光パネルを設置すれば太陽の光で発電できます。火力発電とは異なり、コストがかからないのでとてもエコなエネルギーです。

自然のエネルギーで発電できるため、自然に優しい発電方法になります。地球温暖化などの環境被害が問題になっている現代だからこそ、太陽光発電のエネルギーは魅力的ですよね。

メンテナンスがかからない

太陽光発電は、メンテナンスがほとんどかかりません。賃貸経営のように、入居者の管理や家賃の回収などの業務が必要ないからです。そのため、ほとんど放置で売電収入を手に入れることができます。

何もせずに毎月お金が振り込まれるので、不労所得を手に入れることができます。

太陽の光があれば発電して自動で売電してくれるため、何もしなくても利益が発生するのでいいですよね。

何も利用していない農地を持っているのであれば、農地転用して売電収入による利益があったほうがいいのではないでしょうか。利用する予定がないのなら持っていてももったいないです。

農地転用して不動産収入を手に入れましょう。

安定した収入が手に入る

太陽光発電は、安定しています。賃貸経営のように空き室の心配がないからです。

太陽の光があれば収益を生み出してくれます。また、1年を通して晴れの日や雨の日の割合はそこまで変化がないので、1年中安定した収入があります。収入が安定すると、期待できるのでいいですよね。

このことから太陽光発電は、「空き室のない賃貸経営」と呼ばれています。安定した収益を発生させたい方は、太陽光発電投資がおすすめです。

土地の値段が安くても発電量は変わらない

太陽光発電は、土地の値段に関係なく発電できるメリットがあります。賃貸経営の場合、駅から遠い場所だと入居者が集まらないですよね。

しかし、太陽光発電であれば太陽の光があれば発電できるので、土地の値段が安い田舎でも利益がかわりません。

土地さえあればどこでも発電できて、儲けることができるメリットがあります。

農地転用をした太陽光発電のデメリット

農地転用をして太陽光発電をするといくつかデメリットがあります。メリットだけではなく、デメリットもあるので農地転用する際は、よく考えて土地活用するようにしてください。

20年は農地が利用できない

農地を転用して太陽光発電する場合、最低でも20年は農地を利用できないので注意しましょう。太陽光発電をすると、すぐに農地に戻すことはできませんし、太陽光発電投資は20年間以上運営することを前提としているからです。

また、太陽光発電システムをローンで購入する場合、20年で返済するとしましょう。この場合、最低でも20年間は太陽光発電をしなければいけませんよね。

農地を転用すると太陽光発電によって農地を利用できないので、太陽光発電をする方は20年農業ができないことを覚えておきましょう。

地盤改良をする恐れがある

農地は地盤が弱いので、太陽光発電投資をする際は地盤改良する必要があります。田んぼを利用していた場合は、水を含んで地盤が柔らかくなっている恐れがあります。

ソーラーパネルを設置しても傾いてしまっては困りますよね。そのため、地盤調査の結果に応じて地盤改良が必要なので注意しましょう。

規模によって費用は変わりますが、100万円以上の費用がかかるので想定しておくようにしてください。

農地転用できないと設置できない

太陽光発電は、農地転用しないと設置できないメリットがあります。先ほどご紹介したソーラーシェアリングであれば農地転用しなくてもすみますが、原則的には農地転用できないと太陽光発電などの土地活用はできません。

あなたが農地で太陽光発電したくても、農地転用しなければできないので注意してください。

農地転用は土地活用業者に相談しよう

農地転用する場合は、土地活用業者に相談しましょう。土地活用業者であれば、アドバイスはもちろんのこと相談などに乗ってくれるからです。

初心者では農地転用の知識がない

初心者では、農地転用の知識はありませんよね。また、農地転用できるのかどうかや手続きなどわからないことばかりです。

農地を持っている方は、まずは業者に相談するようにしてください。そのほうが早いですし確実です。「農地転用をして太陽光発電をしたい」と伝えれば、相談に乗っているのでまずは専門家に相談してください。

土地活用の専門家がいますので、まずは気軽にお問い合わせしてみましょう。無料で相談できるため、相談しなきゃ損ですよね。

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