土地活用

土地活用での失敗例を紹介:失敗しないためにも知っておくべき失敗例とは?

土地活用 失敗例 アイキャッチ

土地を眠らせておくよりは、土地活用をしようというのは有効で前向きな考え方でしょう。「活用して収益を得る!」「節税対策をする!」「地域貢献をする!」が叶えば当然嬉しいですしありがたいです。

ただ、やれば誰でも成功するというものではありません。

土地活用はひとつの「事業」ともいえますから、その経営は必ずしも楽々ではありませんし、ひとつの判断ミスが大赤字を招くこともあります。誰かの成功事例通りにやったからといって上手くいく保証など無いのです。

土地活用の失敗というと一番は、「お金の流れ」いわゆる「キャッシュフロー」が上手くいかなくなることですね。

経営には、収益、経費、税金、借入金の返済などのすべてのお金の流れを把握して、長期的な計画性を持つことが大事でしょう。

この記事では、土地活用のさまざまな失敗例を紹介します。

土地活用に取り組もうと考えた際には、オイシイ話ばかりではなく、いくつものリスクも予想して冷静に計画を立てていけるよう、ぜひじっくりと読み進めてください。

土地活用:アパート・マンション経営の失敗例

マンション経営始め方

土地活用というと多くの人がまず思い浮かべるのが「アパート・マンション経営」でしょう。しかし、賃貸住宅は「建てれば必ず儲かる」という単純なものではありません。

マンション経営をした際の失敗してしまった例は、次の通りです。

入居者が見つからず失敗

どんなに立派な建物を建てたとしても、入居者が集まらず空室が目立つようでは、賃貸経営は当然成り立ちません。

また、空き室が多く家賃収入が少なければ、赤字経営となり失敗してしまいます。

土地活用に着手する前に、その地域に新たな賃貸住宅ニーズはあるのか、どのような人たちが住居を求めてやってくるのかをよく考え検討してみましょう。

その結果、賃貸住宅ではない土地活用の方が良いという結論に達する場合もあります。

アパート・マンション経営では、建物を建てたものの「支払いは増えるばかりで収益は一向に上がらず…」ということもあり得ることをしっかりと知っておいてください。

設計ミスにより失敗

賃貸住宅の設計ミスによっても、土地活用は失敗することがあります。

建築コストを多額にかけて豪華に作りすぎてしまうことや、逆にコストを節約し過ぎて建物が貧相になってしまっても、家賃設定がうまくできなくなります。

そうなると、家賃が高くなれば入居者も限られ、家賃を安くすれば建築費を回収できず赤字経営になってしまうということに悩まされるでしょう。

また、建築費を安く設計しすぎて、耐久性に問題があると、その後のメンテンナンスなどに予想以上にお金がかかり、収益と支出が釣り合わず赤字経営となってしまう場合も十分にあり得ます。

設計の段階で、見た目を豪華にするよりも、まずは頑丈で耐久性の強いしっかりとした建物を建てることを第一に考えれば、その後のメンテナンス費用も抑えやすく、建物の運用をしやすいかもしれません。

設計ミスは、賃貸住宅を管理会社や建設会社にまかせっきりにしているオーナーにしばしば起こりがちです。

表面利回りだけを考えて失敗

土地活用を行う際には「利回り」の計算はとても重要です。

ただ、利回りの計算方法には、「表面利回り」と「実質利回り」があり、その違いを理解していないと収益が得られずに失敗をまねくこととなるでしょう。

ここから表面利回りと実質利回りについて解説します。

表面利回りとは、マンションやアパートがずっと満室状態であると仮定した場合の年間の家賃収入を建物の購入価格で割った単純なものです。

アパート経営表面利回り
例:表面利回り

例えば、年間収入が1,000万円、アパートの購入価格が1億円だとします。

この場合の表面利回りは、1,000万円 ÷ 10,000万円 = 0.1  10%

そのため、10%が表面利回りとなります。

表面利回りは計算が簡単なので、建物の情報サイトなどにはよく記載されているのを見かけますが、これには、実際にかかる経費などが含まれていないため実際の利益を表すことはできません。

実際に賃貸住宅を経営すれば、建物の購入時の諸経費や建物維持の年間諸経費が思った以上にかかります。

その経費分を考慮した「実質利回り」を計算しないと、後々収益率の悪さに頭を抱えることとなりますよ。

実質利回りは、「年間の家賃収入から諸経費を引いた実質的な収入」を「建物の価格に税金等の諸経費を加えた実質的な購入価格」で割ったもの、つまり、これが年間で得られる利益となります。

アパート経営実質利回り アパート経営実質利回り
例:実質利回り

例えば年間家賃収入が1,000万円、年間諸経費が200万円、建物の購入価格が9,000万円、購入の際の諸経費が1,000万円だった場合とします。

この場合の実質利回りは、

(1,000万円 – 200万円) ÷ (9,000万円 + 1,000万円) = 0.08 = 8%

となり、この8%が年間で得られる利益となります。

さらに、満室状態が続かなかったり、建物が経年劣化してきたりすれば、より実質利回りは下がります。そのことも常に頭に入れて、経営計画を立てることが失敗を招かないためには重要です。

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土地活用:駐車場経営の失敗例

駐車場経営土地なし

土地活用の方法としては意外と手軽にできそうで人気が高いのが駐車場経営です。以下に駐車場経営での失敗例をまとめたので見ていきましょう。

固定資産税にお金がかかり失敗

駐車場にアパートを経営していた場合、固定資産税や土地計画税が軽減されます。

しかし、アパートが建っていた土地を駐車場に変えてしまった場合、固定資産税と土地計画税が軽減されず、毎年かかってくる税金となってしまうのです。

このことに考慮せず、駐車場経営に踏み切ったが為に赤字経営となって撤退した例は少なくありません。

まずは、駐車場にした場合どのような税金がかかるのかを判断する必要がありますね。

立地条件が悪く失敗

駐車場として経営するには、立地が悪く収益が上がらず失敗というケースもあります。

土地を眠らせておくのはもったいないというだけで、簡単そうに見える駐車場経営を安易にはじめてはいけません。確かにアパートやマンションを建てることに比べれば、駐車場は初期投資が少なくて済みます。

ただ、収益を上げていくためには事前の調査は非常に大事です。

その調査を怠り、ただ駐車場設営の工事を業者に依頼してしまい、いざオープンしても「立地が悪くて利益が上がらず赤字経営になってしまった・・・」なんてケースもあり得ます。

駐車場とはいえ、立地からその後の収益化への計画を綿密に立てることは必要です。

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土地活用:太陽光発電の失敗例

太陽光発電事業

太陽光発電とは、土地にソーラーパネルを設置して太陽光を電力に変換して、その電力を電力会社に買い取ってもらい収益を得るものです。

太陽光発電のおおよその利回りは、6~8パーセントです。

しかし、ソーラーパネルの設置にはそれなりの費用がかかるため、しっかりとした計画の元にはじめないと失敗を招く恐れがあります。

立地条件が悪く失敗

やはり太陽光発電にとって立地条件は非常に重要です。

立地が悪ければ日照時間が短く太陽光を集められませんから、当然思ったような収益は出ません。

「土地がある」ということと「太陽光が収入になる」というだけで、陽光発電をはじめても立地が悪ければ失敗を招いても仕方ないでしょう。

業者選びで失敗

太陽光発電では、業者選びで失敗をしている人も少なくありません。

太陽光発電にはさまざまな業者が参入しており、そこには優良企業もあれば詐欺まがいの会社も存在するでしょう。

悪徳業者に依頼をしてしまっては、ソーラーパネル設置に手を抜く恐れがあり、台風などで破損したり、発電ができなくなったりする可能性もあります。

また契約の際に、トラブルに対しての保証などもついていない場合もあり、地場が悪くてパネルが傾いてしまったり、災害などによる故障、性能の低下などが起こったりしても修繕してもらえないこともあるのが現状です。

「簡単に儲かる」「今ならお得」という言葉に惑わされて安易に業者を決めてしまっては失敗の可能性は高まりますよ。

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土地活用:トランクルーム経営の失敗例

トランクルーム田舎の土地活用

トランクルーム経営で土地活用を始める人は増加していて、トランクルーム市場も統計上拡大しているといわれています。

アパートやマンション経営よりは初期費用負担が少なくて済むため取り組みやすいのも要因でしょうが、やはりしっかりとした調査や計画の元に取りかかる、またはやめるといった判断が必要でしょう。

立地が悪く需要がないため失敗

トランクルーム運営をはじめても、立地が悪くて利用者がいなければ、ただ初期投資をしただけのものになってしまいます。

その土地があるエリアにいかにニーズがあるかどうかがトランクルーム経営の明暗を分けるといえるのではないでしょうか。

しかし、トランクルームの需要の予測はそう簡単ではありません。

賃貸住宅の場合は、周囲の住環境を見ればある程度のニーズの予測が立ちますが、トランクルームの場合は「自宅以外の収納スペース」ですので、その必要性が地域にあるかどうかをなかなか見抜けないのです。

とくに以下のような立地は失敗の可能性は高くなります。

トランクルーム経営で失敗してしまう土地
  • 周囲に住宅が少なく、広い家ばかりがある(収納場所を借りる必要がない)
  • すでに他社のトランクルームある
  • トランクルームに行くまでの道が狭かったり、車が乗りつけにくい道だったりする
  • トランクルーム自体の部屋が狭い(サイズの判断ミス)

「市場全体が盛り上がっているのならばうまく行くだろう」という単純な考え方では、トランクルームでの土地活用は失敗へと向かうでしょう。

安全性やセキュリティが確保できていなく失敗

トランクルームはどちらかというと日々人の出入りは多くないでしょうから、余計に安全性やセキュリティが確保されていないとおそらく運営は失敗を招きます。

考えられるリスクのひとつは災害(耐震性、保管物の破損)です。

設置前にはその地域では自然災害が起きやすいかどうかはしっかりとした調査が必要です。災害が多ければ設置をやめるか、災害に強い設計にするかのどちらかでしょう。

別のリスクとしては、保管物がしっかりと守られるかどうかです。

コンテナがほこりを吸い込む、水漏れする、温度管理が行き届かない等のことがあれば、当然利用者とのトラブルにつながります。

また、管理する上である程度の巡回を行わなければ、不法投棄、盗難、不審火がないとも限りません。事件などに発展することがあれば、その後の営業どころではなくなってしまいます。

トランクルーム経営では、設置のコストを削り過ぎたり設置後の管理を怠ったりすると、その運営は失敗へと傾いていくでしょう。

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土地活用:商業施設経営の失敗例

田舎土地活用商業施設

土地活用で商業施設経営を行った場合でも失敗例はあります。店舗を建ててテナントに貸し出せば、一般的な賃貸住宅よりはおそらく利益率は高くなります。

ただ、十分な専門知識とマーケティングがなければその運営は難しく、土地活用の初心者に向いているとはいえません。

建築費の返済前に商業施設が撤退してしまい失敗

商業施設の失敗例として、「建築費をすべて回収する前に商業施設が撤退してしまい、借金だけが残ってしまった」というケースがあります。

テナントとの契約を結ぶ際には、中途解約が起きた時のためのしっかりとした対策を講じておく必要があります。

建築費が回収できる前にテナントに中途解約されてしまっては、建築費の借入金返済に支障をきたしますので、契約時には「中途解約時の条件」を織り込んでおくことを忘れないでください。

また、中途解約のペナルティがあまりに軽すぎると、ペナルティを被っても撤退を選ぶテナントもいます。ですので、中途解約となっても、オーナーには負担が残らない契約内容にすることが重要です。

「あいまいな契約内容」「条件等の確認不足」があっては、後々オーナーに大きな負担がかかる事態を招くことは十分にあり得ますよ。

商業施設のマーケティング力がなく失敗

商業施設経営においては、マーケティングの甘さが失敗につながる例は少なくありません。建物を建てても施設自体が儲からなければ、当然オーナーにも収益は入りませんからね。

まず、「マーケティングをし尽しても100%の成功率はない」ということ前提に考えてください。それを踏まえて大切なことは、

  • オーナーひとりの判断で商業施設建設をスタートさせないこと
  • 業者や専門家のいうことをそのまま鵜呑みにしないこと

です。

プロの意見や過去のデータ等に最大限に耳を傾けながら、オーナーは冷静に判断を下しましょう。

商業施設は成功すれば大きな利益を生み出しますが、失敗すればその分の負担もより大きなものとして残されます。

完璧なマーケティングは無いにしても、可能な限りの調査・リサーチは怠らないことです。

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土地活用:等価交換の失敗例

土地活用には等価交換という方式があります。

等価交換方式とは?

等価交換とは、土地オーナーに資金が無くてもデベロッパーに建物と建築してもらい、その後に「土地の一部」と「その土地の価値に当たる建物の一部」を交換するというものです。

これにより、土地オーナーは資金なしで建物の一部を手に入れられるわけです。等価交換は双方に利益を生み出す土地活用方法ですが、注意しないと試算を減らしてしまうという失敗につながってしまいますよ。

通常の販売価格で購入してしまい失敗

等価交換方式で土地活用を行った場合、オーナーには「税制上の優遇を受けられる」というメリットがあります。

また、等価交換の場合は、オーナーとデベロッパーは共同事業主の関係になるため、「優先価格で建物の一部を購入することが可能」になるというのもメリットです。

しかし、そのことを知らず通常販売価格(高額)で購入してしまうオーナーがいるということですね。

通常の販売価格には、事業主の利益や経費が含まれていますから、本来であればそれらを通常価格から差し引いて交換を行うべきです。

これを知らずして契約してしまっては、何百万もの損をしてしまいますよ。

利回りを計算しておらず失敗

等価交換で、いざ手に入れた物件を運営開始してみたものの、利回りの計算をしっかりとしておかないと、思ったほど初期費用の回収が順調に進まないケースがあります。

『アパート・マンション経営での失敗例』のとことでも説明したように、利回りとは「建築費に対しての1年間に回収できる利益の割合」です。

しかし、等価交換で手に入れた物件は、自らが出資して得た物件よりは利回りが小さくなるということは知っておいてください。

等価交換の場合は、オーナーは初期費用の持ち出しをしていないわけですので、そのリスクが無い分のリターンは若干減ってしまうと考えてください。

利回り計算は事前にしっかりとやっておけば問題にはならないでしょうが、等価交換であることを考慮せずに利回り計算をしてしまうと、収益回収が上手くいかなくなります。

土地活用:相続税対策の土地活用での失敗例

実家土地活用

「相続税対策として土地活用を」といわれれば、すぐにそうした方が良いと考えがちですが、慌ててはいけません。

相続税法の改正もあり、自分が何に対してどういうものを支払うのかをしっかりと調べておかないと、節税が失敗になってしまいます。

固定資産税を理解せず失敗

(例)親の土地と家を相続したAさんですが、相続税対策の土地活用をしようと考え、親の家を取り壊して駐車場にしてしまいました。

その結果、建物があった時の固定資産税額が、駐車場になった際には6倍にもはね上がることとなります。

Aさんはこのことを知らなかったために、固定資産税を払えず、赤字経営を招き、駐車場経営に失敗してしまいました。

上記のような例は、単純に税に関する知識不足・調査不足です。

大切な土地であり、土地活用には多額のお金が動きますから、その取り組みには慎重に慎重を重ねないと、思わぬ失敗を招くことは避けられないでしょう。

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土地活用で成功するなら優良企業と提携して行おう!

土地活用を成功させたいと考えれば、「賃貸住宅、駐車場、太陽光発電…」等々、どの方法を選べば良いかということは大事ですが、それ以上に重要なのは「優良企業と提携して行う」ということだといえます。

土地活用をすると決めるのはオーナーですが、実際に取りかかるのは企業(業者)です。

土地活用に名乗りを上げる業者は山ほどありますが、その中には優良業者もあれば、悪徳業者もあるのが現状です。

オーナーの考える土地活用がとても有効であっても、それを悪徳業者に依頼してしまっては、失敗の道をたどることは目に見えています。

ですので、業者を選ぶ際には以下の点に気をつけましょう。

土地活用業者を選ぶ際の注意点
  • 過去の実績はあるか
  • 担当者は信用・信頼できる人物か
  • さまざまな提案を示してくれるか
  • オーナーの意向をしっかりと聞いてくれるか
  • 担当者や業者との相性の良さを感じるか

これらのポイントがすべてではありませんが、大事なことは大切な財産である土地の活用を本当に任せてよい業者かどうかをしっかりと見極めることです。

一見オイシそうな話ばかり持ってくる業者は信用ならないかもしれません。

その土地活用に関するメリット・デメリットをしっかりと説明してくれて、なおかつ人間的に信頼できなければ、安心して任せられないでしょう。

そのためには、複数の業者に会ったり、何回かの相談を繰り返したりすることも必要かもしれません。

地活用は優良企業に依頼することを、ぜひ心しておいてください。

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まとめ

土地活用にはメリットがありますが、どんな場合でもリスクをゼロにすることはできません。ただ、限りなく「リスクゼロ」に近づくためにしておいた方が良いことは「失敗例を知る」ことです。

失敗したことには「必ず原因」があります。

過去の誰かの失敗例を知り、「なぜそうなったのか」をしっかりと究明していけば、少なくとも同じ失敗をする可能性はかなり低くなるでしょう。

自分の土地活用を成功させるためには、同時に他の失敗例から多くを学び、その失敗例を活かすことが最も大切ではないでしょうか。

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